浴風会病院リハビリテーション科
作業療法士

小此木 広子さんおこのぎ ひろこ

安心できる環境の中でリハビリを

インタビュー写真

回復期病棟の中でも患者さんの年齢層が高く、来るべき超高齢化社会の中で必要とされるリハビリの技術を学べることが魅力に感じました。一般の回復期病棟ではあまり行われない集団でのプログラムは、高齢者の方が多いために実施でき、高齢者ならではのリスク管理についても知識が深まったと思っています。ここはリハビリを行う患者さんにとってもいい環境がそろっていると感じます。

敷地内の通路も車と歩行者の間隔をそれぞれ十分とって整備されており、病棟内でのリハビリに気分が乗らないときに敷地内の通路を使って、歩行訓練を行うこともあります。坂道もあるので、内容にも幅が出ます。車両の乗り入れも患者さんやご利用者のご家族の方が多いので、外でリハビリを行っていると見守ってくださいます。開放的な中で行うリハビリは、より在宅復帰へのやる気につながっているようで、私もその気持ちに応えられるよう一層力が入ります。

和やかな交流も持てるリハビリ支援

お一人お一人に前向きに関わる楽しさは、OTになってから知りました。浴風会では、介護職と医療職が互いに連携を取って働いているため、患者さんの退院後の生活はもちろんのこと、今までの過ごされ方も大切にする意識が強いです。また、様々な職員とのやり取りの中で、それぞれの個性に刺激を受けながら、自らの学びにつなげていると思います。入院中は病室で一人とこもりがちになることもあり、交流も乏しくなってしまいます。

思いつめてしまうと、つらくなってしまう気持ちが分かります。リハビリを行う場所は、開放的な空間になっているので、たくさんの人がいる中で取り組んでもらうようにしています。時には、患者さん同士がリハビリの合間に話されていることもあります。そうした交流がリハビリのモチベーションになっていることもあるので、和やかさも大切にしながら取り組んでいます。

生きてきた道筋を知りながら展開する仕事

なかなか医師の処方通りに回復できるケースが少ない中で、最近受け持った患者さんは一定期間内で順調な回復ができました。患者さんからも「私のリハビリはもう大丈夫そうね」と回復を実感されたお声もいただき、とても嬉しかったです。定期的に勉強会に参加し、先輩や上司からたくさんの助言ももらいながらそれを治療に取り入れられたこと、専門知識を深めた上にアセスメントが細かく行えるようになったことで、自主トレや対処法を効果的なものにできたのではないかと思います。

OTは、患者さんの今までの生活や病前の暮らしぶりから人生に触れ、それを治療に取り入れていくことに面白みがあります。治療する私たちもそれぞれ違う強みをもっていますので、患者さんと私たちの二つの要素が作用しながら、展開していく難しさと面白みにやりがいを感じています。

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バイザーを担うことを通して自分も成長できる

今は入職2年目の方のバイザーを担っています。1年目の方には達成度の項目があり、それを基に指導していきますが、2年目の方はその項目を内面化して、必要なことや不明点を自分でバイザーに確認にするというように段階的な違いがあります。そのため、相談しやすい雰囲気づくりを大切にし、こまめに声をかけるように心がけています。ミーティングも細かく設定されており、チームでお互いの取り組みを把握している安心感もあります。

頼りにしてふとしたことでも相談をしてくれるのは、とても嬉しいです。同時に、説明する難しさを感じることもありますが、教える楽しさがあるのでそれに応えたいとたくさんのことをこれまでに以上に勉強に力が入ります。リハビリテーション科は、年齢に幅があり、若い方も多いです。上司も挑戦の機会を積極的に与えてくれるので、風通しのいい環境で自分を成長させられると感じています。