特別養護老人ホーム南陽園
主任生活相談員

友部 貴弘さんともべ たかひろ

長期的なキャリアを形成できる場所

福祉系の大学に通い、就職の際に、漠然と「高齢者福祉に関わりたい」と考えつつも、その分野にはどのようなサービスがあるのかもあまりわかっていない状態でした。そんな時、学校から紹介してもらったのが浴風会です。本法人の大きな強みとして、一カ所に多様な施設と福祉サービスを展開しているということが挙げられます。仕事内容を変えたいと思った時、大体の場合、その都度転職をして仕事を変える方法をとると思います。

しかし、ここでは同じ法人内で多くの選択肢を持ちながら働いたり、勉強できたり、異動という形で仕事を変えていくことができます。これが一番の決め手になりました。実際にこの16年で、ケアワーカーから相談員になり、施設も定期的に移動しながら仕事を続けてきました。施設を変わってみて初めて見えることもありますし、それが自らの成長にもつながったと思っています。

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地域福祉のコンシェルジュがご利用者とサービスをつなぐ

様々な経験を重ねる中で、特に物事に柔軟に対応する力が身に付いたと思います。 例えば、「介護者が入院するため、緊急にショートステイを利用したい」というご相談には、自分の施設で対応が出来なくても、他の施設で受け入れ可能かを連絡する。送迎の車両が空いてなければ、デイサービスの車の手配を相談する。必要があれば、近隣の施設も巻き込んで相談、対処しています。

ご利用者やご家族が求めるのはそのサービスにアクセスできることですから、目的達成のために手段は何通りも自分の中に持っておきます。このように方法をいくつも持てるのは、施設、サービスごとの強みや事前に必要な情報、役割を知っていることが大きいです。また、異動の先々で人のネットワークを築いて、近隣施設それぞれのキーマンとも連携を取れる関係を作ったことが、急場の対応力につながっていると思います。

福祉の入り口に立つ実習生に豊かな経験をしてもらいたい

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現在、幅広い業務を担う中で特に力を入れているのが実習生への指導です。浴風会はその規模から、多くの実習生を受け入れています。私が相談員ですので、受け持つ実習生は相談職を目指す方も多いです。その方たちには、自分が所属する施設の「相談員」を知ってもらうに留まらず、他の施設も見てほしいと積極的に見学に行ってもらっています。実習は入り口ではありますが、福祉現場の全てではありません。

そのためこの段階で各々の福祉観を限定してしまうのではなく、自分が見聞きし感じたことから、様々な福祉のあり方を考えられる機会にしてほしいと思います。実習が就職につながるのはとても嬉しくやりがいを感じます。また、他の法人であっても相談員や福祉職に就いた元実習生から声をかけてもらうこともあり、新たなネットワークが福祉業界の盛り上げていくのは、大きな喜びです。

浴風会というチームで支援を考える

尊敬する先輩は、私が何か相談をすると必ずしっかりと考えを受けとめ、取り組む時にはいつも背中を押してくれました。今、私が相談を多く受けるようになって思うことは、介護福祉はチームで取り組む仕事なので、いかに関わる職員の意見をくみ取りながら形にしていくかということです。

制度や事務手続きに関することは正しい方法を示すことができますが、個別のケアや複雑な問題を抱えた方の支援等は、画一的な対応では解決できません。それには様々な立場からの考えを知ることが重要です。多職種や相談員同士、チームとして考えや情報を共有しながら、一緒になってご利用者の望む支援をしていくことを大切にしています。