介護老人保健施設 老健「くぬぎ」
ケアワーカー(サブリーダー)

田村 奈緒美さんたむら なおみ

高齢者の生活から見える必要な介護

以前は、地元の介護老人保健施設で働いていました。介護を見つめる中で高齢者の生活そのものに着目していきたいという思いが芽生え、上京を決めました。その中で出会った浴風会は、病院も併設する規模を持ち、豊かな自然に囲まれ、長い歴史を持つ法人であることが魅力的に映り、転職しました。

その土地土地での暮らしぶりには違いがあり、ご利用者の心地よい生活を考える上で、それは非常に重要な点になります。例えば、集合住宅の場合階段の上り下りが多かったり、独居の場合は周りに協力を得にくい方も多かったり。このような違いは、在宅復帰のためにクリアすべき段階の違いや、福祉サービスの複合的な利用を考えることにつながります。個々の課題に対し、介護職としてできることを日々の実践の中で探っています。

インタビュー写真

医療と共にある介護を実践していく

現在は「老健くぬぎ」に移りましたが、以前は浴風会病院の中で介護職員として勤務していました。患者さんやご家族は、リハビリの経過次第で在宅か、施設かと悩まれている方も少なくありませんでした。そこで介護職として一番近くでニーズを聞き取り、機能回復の段階を専門職と相談をしたり、在宅へ戻った際の福祉サービスの利用を相談員と検討したり、施設との情報共有をしていくことをしていきました。

浴風会は、医療と介護福祉が互いに連携を取り、コミュニケーションを大切にする風土があります。これからも積極的なコミュニケーションの中で、統一したケアを行えるようにしていきたいです。

認知症介護の専門性の高まりを実感しています

インタビュー写真

入職当時は、認知症の方との関わりは、わからない部分も多く戸惑いを覚えることもありました。しかし、研修や実践・研究発表会での学び、医療職との連携で得た知見が私を支えてくれました。また、敷地内には認知症介護・研究研修センターがあり、その研修に参加することもできます。開催規模も大きく、たくさんの事例に触れることができたのでそこで得た学びは大きなものでした。

現在も認知症専門棟で勤務していますが、一見つじつまが合わない発言や言葉にできないでいる時の表情を細かに観察していくことができるようになりました。それがもとになり、支援の方法を細かく見直すことができ、ご利用者が望んでいることをくみ取れるケアになっていくと感じています。認知症に関する専門性は、私の成長を一番実感できる部分です。

それぞれの知恵を出し合い、ご利用者の望む支援へ

サブリーダーになり後進の育成をしていて、未経験で入った新人職員が知識と技術をどんどん習得して仕事をする様子を目にすると、いつもすごいなあと感心します。ご利用者との関わりは、時に難しいこともあり、簡単に答えが見つからないこともあります。介護に唯一の正解はなく、ご利用者の立場に立てて初めて見えてくるものかもしれません。

そのため、様々なご利用者を深く理解するには、職員それぞれのもつ良さや専門性、知恵をうまく取り込むことが必要です。それには職員それぞれの考えた実践を否定せずに、まずは取り入れてみるということを管理職として大切にしています。それからうまくいった場合も改善が必要な場合にも、実践を細かに振り返り、職員みんなの支援をご利用者の望む方向へ近づけていくことがサブリーダーとしての私の役割だと感じています。