特別養護老人ホーム南陽園
ケアワーカー

鎌田 由里菜さんかまた ゆりな

ご利用者とご家族をつなぐスライド作り

インタビュー写真

当園の介護実習で目にしたご利用者のために熱意をもって丁寧に仕事に取り組むケアワーカーの姿は、今の私の中にも息づいています。入職2年目で任されたフロア新聞や家族会で上映するスライド作りは、私が特に熱意をもって取り組んでいる仕事です。昨年は初めてスライドに動画を組み込み、ご利用者が日常を豊かに過ごす様子や会話のやり取りをご家族に見ていただけました。

定期発行のフロア新聞とはまた違った形で様子をお伝えできたので、ご家族にもたくさん「様子が分かって嬉しい」との声をいただけました。私も作成のためによりご利用者のことを知ることができたので、やりがいを感じています。今年は次のリーダーに引き継ぐことになりましたが、私と同じように喜ばれるスライドを届けたいという思いを持って取り組んでいるので、できることを伝えています。

思いを汲み取ることは難しい。だからより丁寧に

入職後の新任研修は、相談員や看護師、病院の検査技師等も一緒になって受講するので誰がどのような取り組みをしているのかがわかります。新任からの階層別研修は、同じメンバーで受けていくので、交流も生まれ共に働いている意識があって心強いです。特にイメージを通してコミュニケーションをとるグループワークは、印象深いものでした。そこでは、伝達者が何かを頭に思い浮かべながら話をし、受け手は聞き取ったことをもとに絵にしていったのですが、伝達者が思い浮かべたものをうまく形にできませんでした。

その時、改めて思いをくみ取る難しさを肌で感じました。ケアワーカーはご利用者の気持ちをくみ取り、望まれることを実施していくことも必要です。伝える、受け取る難しさは、普段ご利用者が私たちケアワーカーに対して抱いている思いかもしれません。そのため、初心に帰り、ご利用者一人ひとりに丁寧に向き合うことが大切なのだと、顧みる機会になりました。

大切にしたいご利用者の「日常」

ご利用者のお話を伺っていると、様々な人生を過ごされてきた人たちばかりで、一人として同じ歩みをしてきた方はいらっしゃらないことが分かります。また、一歩施設の外に出ると、ご利用者は違った一面を見せてくれます。その時に、社会の中で生きているということを改めて感じました。あるご利用者が、以前ぽつりと「帰りたい」とおっしゃった時、ここが帰る家になるにはどうしたらいいだろうと考えるようになりました。

これまでの生活を施設でもできるだけ取り入れていく。今の様子や状態だけにとらわれるのではなく、日常を楽しく過ごせるようにこちらから過ごし方を提示していく。そうしてご利用者の「日常」が今まで過ごしてきた日常と地続きになるような支援をこれからも考えていきたいです。

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学び続ける、働き続ける先に

スライド作りなど挑戦的に仕事を任されたり、今年は実践・研究発表会で発表の機会を得たり、学びを深める働き方ができると感じています。研修の機会も充実しており、周りの職員が皆学び続ける様子を見ていると、自ら学びつつ成長できると確信しています。さらには、女性として働き方を考えた時に、結婚育児といったライフイベントを経ても働き続けている先輩方を多く目にしているため、安心して働ける環境だと感じます。

だんだんと俯瞰的に物事をとらえる力もついてきたことで、新たに向かう方向が見えてきました。ご利用者と向き合う中で精神を理解する難しさに直面しています。難しいけれどそのままにしておくものではなく、難しいからこそ精神面のケアに力を入れていきたい。だから今は精神保健福祉士を専門的に学んでいきたいと思っています。